テレビアニメ「いぬやしき」の見どころやあらすじを含んだ考察

「いぬやしき」について

2017年のテレビアニメ「いぬやしき」は、大ヒットコミックの「GANTZ」等でおなじみ奥浩哉さん原作のコミック「いぬやしき」を元に制作された作品です。

主人公格の二人のキャラクターの声優に、俳優の小日向文世さんと村上虹郎さんを起用するなど一風変わったキャスティングがされています。

今回はテレビアニメ「いぬやしき」のあらすじや登場人物、見どころを含めた感想や考察を書いていきたいと思います。

「いぬやしき」のあらすじ

主人公犬屋敷 壱郎(いぬやしき いちろう)は、普段から彼の家族に疎まれており、一戸建てのマイホームを購入しても家族からの関心は得られずなかった。
更に余命3ヶ月の末期がんと宣告され、そのことを家族にも言えず途方に暮れる。
その夜、犬の散歩の途中に、偶然に合わせたもう一人の主人公獅子神 皓(ししがみ ひろ)と共に公園で宇宙人の墜落事故に巻き込まれてしまう。
宇宙人は事故を隠蔽するために、二人を蘇生するが、戦闘用ユニットを内蔵した存在に改造してしまう。

「いぬやしき」の登場人物

犬屋敷壱郎(小日向文世)
本作の主人公の一人です。妻と高校生の娘、中学生の息子がいるんですが、あまり家族とは上手くいっていません。
そんな彼が突然機械の体に生まれ変わってしまいました。

獅子神皓(村上虹郎)
本作のもう一人の主人公です。犬屋敷の娘が通う高校のクラスメイトです。
犬屋敷と同じく宇宙人の事故に巻き込まれたことで、機械の体に生まれ変わります、彼は犬屋敷とは全く逆の性格で。

安堂直行(本郷奏多)
獅子神皓の幼馴染です。獅子神からのあだ名は名前を音読みした「チョッコー」。

渡辺しおん(諸星すみれ)
獅子神のクラスメイトです。クラスメイトからは「チンゲ」というあだ名でバカにされていますが、優しい性格の女の子です。

犬屋敷麻理(上坂すみれ)
主人公犬屋敷壱郎の娘です。幼少期は自分の父を慕っていたが、冴えない見た目の父親に嫌気が指し、粗雑に扱っています。

「いぬやしき」の見どころと感想・考察

善と悪の両極端なテーマ

無差別に人を助ける主人公と、無差別に人を殺す主人公という両極端な登場人物でお話が進んでいく本作は、感動的かつショッキングというやはり両極端な感想を抱きました。

犬屋敷さんが理不尽な暴力や惨状を目の当たりにした際の悲痛な叫びは、小日向文世さんの演技も相まって、とても胸に響いてきます。

大切な人の命を失いたくない、なんとかしたいという強い意志こそがこの人の最大の武器であり、人間たらしめているのだと強く感じました。
登場人物の安堂にも度々言われていますが、機械の体であっても最も人間らしい心を持った素晴らしい人間だと感嘆します。

犬屋敷さんに相反する獅子神ですが、理不尽に命を奪っていく姿に憤りや悲しみも感じましたが、案外普通の人が超人的な力を得てしまったらこうなってしまうのではないだろうか?などと考えてしまいました。

殺すことで生を実感できる、とまではいかないまでも簡単に止められない力を得た場合、一歩間違えればあのようになってしまうのではないか?と。

なぜなら獅子神の家族や友人に関する感情は人並みのもので、悲しみを感じることができるからです。
新宿での大虐殺、飛行機の大量墜落等、全て大量殺人ですが、自分を匿ってくれた渡辺しおんと、しおんの祖母と三人で暮らすために行った凶行です。

獅子神は悪魔と言ってもお釣りが来るぐらいの悪人です。
ですが、力に溺れ、愛情の向け方を知らない哀れな人物とも言えるかもしれません。
獅子神を演じている村上虹郎さんは声優初挑戦ということで粗はありますが、嫌味のない演技と感情の表現がうまく、その演技が悪意の塊だけではない歪な存在へと昇華していると感じました。

迫力ある3Dバトル

終盤に差し掛かると、二人共今まで全く真逆の形で一般人と接してきた、犬屋敷さんと獅子神が接触し、遂に激突します。
体が開きながら飛行し、お互いを撃ち合う激しいバトルはとても見応えがあります。

今までは一般人を相手に無双してきた二人ですが、同じ機械の体同士ではやはり苦戦してしまいます。
全身からビームを撃ち合ってもなかなかお互い倒れず、周辺の街が壊滅するのではないかというほど苛烈です。

その戦闘はCGアニメーションで描かれており、その美麗さは本当にTVシリーズなのかと疑ってしまうくらいに洗練された仕上がりだと思います。

お互い死力を尽くし、遠距離攻撃を出し尽くしたあとのトドメが不意打ちでの肉弾戦でバラバラにするというのがなんとも機械が苦手な犬屋敷さんらしくて納得の行く展開だったと思います。

衝撃のラスト

人によってはご都合主義、なんて言われるかもしれない隕石衝突のラストですが。
視聴したあとの筆者の感想としては、犬屋敷さんが「人間」として死ぬ事ができるのはこれぐらいのことでもないと無理なのかな、と思います。

獅子神も根底にあった自分に親しい者に対する愛情がちゃんと残っているのを改めて感じさせられるシーンでもありましたし、取り返しきれないけど最後に大事な人を守るために自爆するという選択はとても意外で新鮮でした。

犬屋敷さんがが永遠に生き続けても、守りたい人たちはみんな先だってしまうことは目に見えているので、世界中の人々を救うという犬屋敷さんには、これ以上にない生きている人間という実感を持てる最期が得られて、満足だったのではないかなと思います。

視聴していた際はとても悲しいラストだ……とも思いましたが、時間が経ってみるとあれはあれで一つのハッピーエンドの形なのかもしれないと考えれる部分もでてきました。

まとめ

今回はテレビアニメ「いぬやしき」の簡単なあらすじや、登場人物紹介、見どころと感想・考察を書いていきました。

本作をみてもし自分が同じ立場なら、善と悪どちらにつくか?と少し考えさせられる部分もあり、今後の生き方に影響力のある作品だと言えます。

特に、死ななくて良くなるから自分も機械になりたいといった自分の息子に「死ぬからこそ、愛しいんだよ」この作品のテーマであり、胸に残しておきたい詞です。

人助けと大量虐殺という全く異なる方法で命の大切さを描いた本作はまた時間が経ったら見返したいですね。

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