「インシテミル7日間のデス・ゲーム」について
映画「インシテミル7日間のデス・ゲーム」は、2007年に刊行された米澤穂信の推理小説が原作です。
2010年に上映され、主演が藤原竜也、そしてヒロインが綾瀬はるかという豪華キャスト。
この記事は、映画「インシテミル7日間のデス・ゲーム」のあらすじや結末、ネタバレ感想をご紹介します。
映画「インシテミル」の登場人物
原作では登場人物が12人いますが、映画では10人の男女が登場します。
・結城理久彦…藤原竜也
・須和名祥子…綾瀬はるか
・安東吉也…北大路欣也
・真木雪人…大野拓朗
・岩井荘助…武田真治
・西野宗広…石井正則
・大迫雄大…阿部力
・関水美夜…石原さとみ
・橘若菜…平山あや
・渕佐和子…片平なぎさ
映画「インシテミル」あらすじとネタバレ
コンビニでアルバイト雑誌を片手に仕事を探していた結城理久彦。
彼の前に面識のない女性須和名祥子が現れ、彼女は「アルバイトってお詳しいですか?相談に乗ってくれませんか?」と声をかけてくる。
須和名は結城に携帯の画面を見せるとそこには「時給1120百円(11万2000円)」と書かれた怪しいアルバイトが表示されていた。
結城は「あり得ない」「怪しい」と言うものの、破格な求人広告だったので参加を決意する。
仕事内容は「施設内にて7日間、24時間モニターされる」という心理実験だという。
この求人に釣られた10人の男女が「暗鬼館」へ集められた。
アナウンスで「この先、不穏当かつ非倫理的な出来事が発生しえます。
それでも良いという方のみこの先へお進みください。」と言われるが、誰一人深く追求することもなく中へと入っていく。
中へ入るとすぐに目に入ったのは、「時刻と何かの数字が入ったモニター」、そしてテーブルの食事。
そして、ガードと呼ばれる奇妙なロボット。
暗鬼館のルールが発表され、それに基づき、個々の時間を楽しむ結城たち。
自室に戻った結城は、自分の部屋に宝箱のような奇妙な箱が設置されていることに気づき、中身を見てみるとそこに「火かき棒」と「カード」を発見する。それに気持ちの悪さを覚えるものの、その日はそのまま就寝する。
そして、2日目の朝に「西野」が拳銃で何者かに殺されているのを発見する。
この中に殺人犯がいるのか?と疑心暗鬼に陥る残り9人。
そこへ「解決の時間です。」とのアナウンス。探偵ボーナスを狙った大迫が岩井を追い詰め、岩井は投獄された。
部屋に戻りシャワーを浴びていた結城が箱の中身を確認すると、火かき棒だった中身が拳銃にすり変わっていた。
誰かに罠を仕掛けれられたと怯える結城。その事実を須和名にのみ伝える。
狂気はやがて伝染し、次々に殺人事件が起きていく…最初に殺したのは一体誰なのか?デス・ゲームの謎も少しずつ解明されていく。
暗鬼館のルール
・夜10時以降は自室から出てはいけない。(ガードに排除される)
・もし事件が起きたら解決する。
・事件を解決する人を探偵と呼び誰でもなれる。また、犯人は多数決で決める。
・犯人になった人は投獄される。
・探偵にも犯人にもボーナスが入る。
・実験終了は、7日目を迎えるか生存者が2名になり実験不可能になった場合のみ。
信じあうしか助かる道はない!?ゲーム
結城は暗鬼館へ入った時から「平和協定」の重要性について言い続けます。
そして、ラストまで「信じあうしか助かる道はないんだ!」と叫び続けます。
様々な運営側の工作はあったものの互いに信じていれば、また欲望に負けるものがいなければ確かに誰も(おそらく西野だけは死にますが…)死ぬことがなかったゲームでした。
西野は序盤から人々がお互いに疑心暗鬼を深めるように「○○は殺人犯なんじゃないか?」「虐待で新聞に載っていた園長に似てる」など不安を煽ってきました。彼は、このゲームについてしっかりと理解し、お金を稼ぐための行動を起こしていたからです。
「それも全て大切な人たちのためにお金を残すためだったのでは?」という結城たちの結論。
原作の小説では家族にお金を残すためだという強い決意が描かれていましたのでそれは真実でしょう。
ここまで来ると、「信じあうこと」はほぼ不可能だったかもしれません。
自己防衛のための心理を巧みに突いたゲームですね。
ラストは彼女が黒幕だった…!?
最初から全て仕組まれていたことでした。
結城の箱の中にあった火かき棒を拳銃にすり替えたり、他の工作も全てヒロインの須和名祥子でした。
彼女は機構の職員。つまり、このデスゲームの運営側の人間でした。
彼女曰く「臆病な人ほど良い働きをする」とのこと。
原作では楽天的な性格だった結城ですが、映画では臆病な性格で描かれています。
結城は「じゃあ、なんで助けたんだ!?」と須和名に問いますが、それについて彼女は黙秘しました。
リビングルームや自室にあった謎のカウンターは、このデスゲームの視聴者数でした。
そして、その運営で結城たちの高額な給料も支払われていたのです。
映画「インシテミル」感想
普通に7日間過ごしているだけで1600万円の収入をゲットできるアルバイトですが、
結城が最後に手に入れた額は「1億2902万4000円」でした。
本人は探偵になったつもりは全くありませんでしたが、探偵ボーナスがたくさんついた結果ですね。
最後にこのお金をくれた機構の人は、さすがデスゲームの主催者側の人間だけあり、クレイジーな人間で淡々としていました。
主演の藤原竜也さんですが、この時期の作品はカイジなどデスゲーム系が多かったですね。
とぼけた感じとか臆病な感じの役が多かったイメージがあります。ですから、さすがな演技ですよね。
最近、問題動画をSNSで拡散することがニュースでも連日問題視されていますが、その集大成ともいえる作品な気がします。
今の日本であるわけないと思いたいですが、こんなゲームは永遠に開催されないで欲しいですね。
原作では、それぞれどんな「お金の問題」でこのアルバイトに参加したのか描かれていましたが、
映画では挨拶の時にサラリとした感じだけだったので、あまり切迫感がなかったですね。
安東さんの「息子の死」についてのみはかなり重い内容でしたが、安東さんは最後生き残ってくれて嬉しかったです。
そして、「あっはっはっはっは~ゲームオーバーゲームオーバー!」と高笑いをするインディアン人形の声ですが、
バナナマンの日村さんだとは気づきませんでした。確かに言われて見れば…という感じですね。
映画「インシテミル7日間のデス・ゲーム」は、「Amazonプライムビデオ」で観られます。