映画『ヘレディタリー/継承』あらすじや見どころを解説 ※ネタバレ有り※

「ヘレディタリー/継承」について

2018年に公開されたアメリカホラー映画『ヘレディタリー/継承』
“今世紀最も恐ろしいホラー””21世紀最高のホラー映画”と大絶賛を浴び話題になった作品です。
監督・脚本はアリ・アスター。本作はアスターの長編映画監督デビュー作でした。

ホラー好きもそうじゃない人も、必ず楽しめるホラー映画だと思います!
私の感想ですが、ある意味ハッピーエンドな話でした。

今回は登場人物、あらすじや見どころの解説と、ネタバレ多めでお伝えしていきたいと思います!

主要登場人物

アニー・グラハム (トニ・コレット)
ミニチュアジオラマ制作作家で、いつも自宅の作業場で仕事をしている。
少々情緒不安定なところがあり、過去に夢遊病で息子を殺そうとしたことがある。

スティーブン(ガブリエル・バーン)
アニーの夫。情緒不安定な妻を支える、唯一頼れる一家の大黒柱。

ピーター(アレックス・ウォルフ)
長男。母親に言われていやいや妹の面倒をみる。

チャーリー(ミリー・シャピロ)
長女。変わった女の子。冒頭で電柱に頭をぶつけ無残な死をむかえる。

ジョーン(アン・ダウド)
娘の死で精神的に追い詰められていたアニーが、大事な家族を失ったもの同士の集まりに参加した際に出会う女性。
彼女も息子と孫を亡くし落ち込んでいるがアニーを励ますために自宅に招く。

『ヘレディタリー/継承』あらすじ

ここからは、あらすじを紹介していきたいと思います。※ネタバレ注意です※

ストーリーは、アニーの母親の葬式から始まります。
彼女は謎が多い人だった。
最後までよくわからない部分があった、最後まで母親との関係は微妙なままだった、とアニーの語りが入ります。
確かに参列者の中には母親とどういう繋がりがあるか分からない人たちも並んでいました。

母親エレンの死を界に、家族の周りで不可解なことがおこります。
アニーは家の中に母親の気配を感じます。またその時、夫スティーブンには1本の電話が。

なんと埋葬してまだ数日しか経っていないのにエレンの遺体が掘り起こされ消えてしまっているというのです。
妻が不安定になっていることもあり、夫はこれをアニーには話しませんでした。

特におかしな行動を起こすようになったのは娘のチャーリーでした。
毎晩ベッドでは寝ずに、庭にあるツリーハウスで一人で寝るようになってしまったのです。
また、学校で鳥の死骸を見つけるとポケットに忍ばせていたハサミで首を切り落とるなど、明らかに様子がおかしくなっていきます。

ある日アニーは、映画を見に行くと嘘をついて『大事な家族を失ったもの同士の集まり』に参加します。
そこで自分の母親が亡くなったこと、
母が解離性同一性障害を発症していたこと、
父が精神分裂病で餓死したこと、
兄が極度な被害妄想が原因で自殺したこと、
そして自身も夢遊病があることを語ります。
同じように家族を亡くして悲しんでいる人たちと触れ合うことで、少しだけ気持ちが軽くなります。

ここでふと、この家系男が必ず死んでいるな、と思いました。。これも全部後々の伏線です。
この映画、伏線がめちゃくちゃあるんです。
いったい最後どういう結末になるか、伏線がどのように回収されるかも見どころです!

別の日、ピーターは学校の友達と、お酒を飲んだりドラックを楽しんだりする少し悪いパーティーに参加することになります。
母親に車を借りて良いか尋ねると、飲酒を懸念したアニーはチャーリーを連れて行けるパーティーなら行っても良いわよ、と言います。

チャーリーは明らかに行きたく無さそうでしたが母親から無理やり言われ、パーティーに行くことを了承します。
ピーターは仕方なしにチャーリーを連れてパーティーに向かいます。
するとそこでピーターが目を離した隙にナッツアレルギーを持つチャーリーが誤ってナッツ入りのケーキを口にし、発作を起こしてしまいます。

苦しそうなチャーリーを車に乗せ猛スピードで病院へ向かうピーター。
呼吸困難に陥ったチャーリーが猛スピードで走る車の窓から顔を出した瞬間、ピーターは道端に転がる動物の死骸を避けるためにハンドルを切ります。
するとなんとも酷い音が、、、。

猛スピードで走っていた車から顔を出していたチャーリーの頭が、道路脇の電柱にぶつかり首が丸々もげてしまうのです、、
まるでハサミで切り落とした鳥の頭のように、道端位にチャーリーの頭が転がっています。

そこでパニック障害を起こしたピーターはそのあと一切チャーリーの方を見ずに自宅に戻り、朝を迎えます。
そこで、車に向かいチャーリーの死体を見つけたアニーの悲鳴が響きます。

チャーリーが死んだことで、アニーとピーターの関係はさらに悪化していきます。
元々夢遊病を持つアニーは過去にピーターを殺そうとしていたこともありピーターはアニーをあまり好いていません。
精神的にも追い込まれるアニーはどんどんおかしくなっていきます。

なんとピーターがチャーリーを殺した習慣をミニチュアで作り始めたりします。
夫はさすがに「ピーターの気持ちにもなってみろ、そんなものを作るなんてどうかしている」
と怒鳴りますがアニーは聞く耳を持ちません。

そこでまた映画を見に行くと、カウンセリングに参加しようとします。
しかし気分が乗らず、引き返して帰ろうとすると前回のカウンセリングの時に話したジョーンという女性に話しかけられます。
そして自分も息子と孫を亡くし立ち直れなかったことを語り、少しでも力になれたらと自分の連絡先をアニーに渡してくれます。

後日少し悩んだアニーですが、ジョーンへ連絡し彼女の家に行くことになります。
玄関に見覚えのあるマットがひかれていることに気づきます。
それはエレンが持っていたものと同じでした。

「これ、私の母親も持っていたわ」
「そうなの?奇遇ね。同じデザイナーさんが好きなのね」

また別の日、アニーはスーパーでの買い物の帰りジョーンに出会います。
しかしジョーンの様子がいつもとは違いました。どこかウキウキ陽気だったのです。

「どうしたの?」と聞くと、今すぐ自宅に来て欲しいとジョーンの家に行くことになります。
家に入ると、窓や光が入ってくるような隙間が全てシートで覆われ室内は真っ暗になっていました。

以前とはまったく様子が違ったのです。そこでジョーンから交霊会の儀式を見させられます。

「私も最初は信じていなかったの、知り合いが教えてくれたんだけど、やってみたら本当に孫と会話できたの!」と。
最初は疑っていたアニーですが明らかにジョーンの声に反応する奇妙な現象や、ジョーンの孫がいつも使っていたおもちゃが勝手に動くところ等を見てそれが本物であると信じます。
怖くなったアニーは逃げるようにジョーンの家から立ち去ります。

しかしやはり、娘に会いたい気持ちの方が勝ってしまいその夜アニーは家族を叩き起こしジョーンに教えてもらった通りに儀式をしだします。

途中でおかしな儀式を行うことに気づいたスティーブンがアニーを止めようとしますが、アニーは叫んで阻止します。
ピーターもいよいよおかしくなった母親に絶望を感じ泣き叫びますが、従うしかなく家族3人で儀式を行います。

すると、チャーリーがよく絵を描いていたスケッチブックが勝手に開きジョーンの気配を全員が感じました。
怖くなったスティーブンは儀式を中断させます。

しかしそこから、ピーターは自分を殺そうとするチャーリーの幻想を見たり、学校で自ら自分の顔を机に打ち付けるなどおかしくなっていきます。

精神的にもどんどん弱っていきます。
アニーはこのままではピーターが死んでしまうと気づき、自分がチャーリーを呼んでしまったことを悔やみどうにか息子を守ろうと改めてジョーンの家を訪れます。
しかし、ジョーンの家の戸をいくら叩いても返事はありません。

とりあえず、チャーリーを呼び寄せるために使ったチャーリーのスケッチブックを燃やそうと火をつけ燃やそうとしますが、火を付けた途端自分の体にも火がついてしまいます。

スケッチブックと自分の体がリンクしていたのです。
消えたジョーンと、母親エレンとの繋がりをうっすら疑っていたアニーはエレンの遺品を漁ります。

するとそこには、ジョーンとエレンが写った写真が。
さらに遺品として残されていた書物には悪魔召喚の手順が書かれたものがありました。

そこでついに、母が「ペイモン」と呼ばれる悪魔を崇拝するカルトの長だったことを知るのです。
本には、招集には男性の肉体が必要になるとも書かれていました。
さらに屋根裏に母親の死体を発見します。

そこには悪魔を呼び起こすための術式が施されていました。
アニーは急いでスティーブンを呼び、屋根裏の死体を見せエレンが悪魔を召喚させようとしている、息子が危ないと伝えます。

しかしスティーブンは夢遊病持ちの妻がおかしくなり、自分で母親の死体を運びだしたのだとアニーを信じません。
それならいいわ、信じなくても良いからこの本を暖炉に放り投げて。
私がどうなっても、本を燃やしてねと伝えます。
スティーブンは渋りますが、それでアニーが満足するならと本を暖炉に投げます。
するとなんと、スケッチブックと燃えたのはアニーではなくスティーブンでした。

アニーはその様子をみてさらにパニックに、途端に何者かに憑依されてしまいます。

そこで、目線はピーターに切り替わります。
学校で自分の頭を顔に打ち付けて気を失い、母親に連れられ自宅に戻り寝ていたピーターは目をさましました。
ゆっくりと自室を出て1階の暖炉のある部屋へ。

するとそこには、丸焦げになった父親が倒れていました。
後ろに視線を感じみると、明らかに自分の命を狙う変わり果てた姿の母親がいました。
ピーターは急いで逃げ、屋根裏に隠れます。

でも、そうです、屋根裏には叔母エレンの死体が、、、。
それを見てさらにパニックになるピーター。

何かを切る音がして上を見ると、なんと天井にアニーがぶら下がっていおりワイヤーで自分の首を切っているのです。
ピーターは狂って自らの身を窓の外へ投げ出します。

再び目を冷ますピーター。
あれ?生きてたんだ?と思いましたが様子が違いました。

ピーターには何者かが憑依していました。
周りを見渡すと、ツリーハウスに首から上を失ったアニーが入っていくのが見え、ピーターもそちらに向かいます。

中に入ると、狭い小屋の中にたくさんの人が集まり、何かに対しひれ伏しています。
それはチャーリーの生首が祀られた像でした。
ひれ伏す集団の中には、ジョーンの姿も、首を無くしたアニーの姿もありました。
ピーターはゆっくりとチャーリーの生首のある方へ。

するとカルト集団の一人がピーターに王冠を被せて彼の前にひれ伏し、悪魔ペイモンの復活を祝うのでした。

『ヘレディタリー/継承』感想

本当に、展開が読めずずっと息を飲んで見ていました。
映画館で怖すぎて誰も何も発せられなかった、という話を聞いたのですが納得です。
最後のオチも今までにない展開でなんて面白い映画なんだ、と私は興奮してしまいました!

最後に悪魔の王が召喚されてめでたしめでたし、という形で終わるのです。
最後に流れる音楽も、映画の中で一番愉快で楽しげな曲が流れます。

あとすごいな、と思ったところとしては、この映画「暗い場面」がまるで「闇」なんです。
薄暗い廊下で話すシーン等ちょいちょいあるのですが、深い闇を感じさせるような、気づかないうちに恐怖を植えつけられてしまうような演出がすごかったです。
映画館で見なくて本当に良かったと思います。笑

伏線がどんどん回収されていくのも面白かったです!
私は見つけられなかったのですが、チャーリーが電柱に頭をぶつけて死んでしまう場面、
電柱にカルト集団のマークが刻まれていたようです。

チャーリーの死ももちろん偶然ではなくペイモンを復活させるために意図されたものだったのですね。
オチを知ってても楽しめるホラー映画だと思いますので、興味持った方は是非見てみてください!

「ヘレディタリー/継承」はAmazonプライムビデオで観れます。

『ヘレディタリー 継承』の視聴はこちらから

 

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